――それでも私は、声優になると決めたから。

逃げてきたことと向き合うのが、いちばん怖い

いつもいつも逃げたくなる。
怖くて、体が動かなくなる。

声優とか小説とかコールセンターとか、マーケティングとか、やりたいことへの恐怖じゃない。

自分の性格そのものへの劣等感と不快感。

不安感から来る恐怖。

気持ち悪くて、力んで、胃がムカムカして、
全身に虫が這うような不快感と、衝動に襲われる。

娯楽や甘いものは、一時的にその不快感を和らげてくれる。
でも、それに咽まれてしまうと、抜け出せなくなり、そこから抜け出すためにまたこの感情と向き合わないといけない。

私は弱い。
本当に弱い。
今まで、幾度も逃げて、逃げて、逃げて、逃げてきた。

「接骨院のやり方が自分の理想と違う事への焦燥感」

「デイサービスで人と命との向き合への恐怖心」

「お金の使い方が荒い自分への嫌悪感」

ネガティブな感情に苛まれる度にその感情から逃げてきた。

そのツケがいまだに自分を縛ってる。

でも、今ここでちゃんと精算しないと、
次に進むって決めた「覚悟」に嘘がつく。
それが一番怖い。

やりたいことははっきりしてる。

でも進むと、過去が何度も目の前に現れる。

声優になる。
それだけは絶対にやめられない。
どんなに苦しくても、不安に襲われても、それでも、私はなるって決めた。

なれるビジョンも既に見えてる。

そう、豪語してるはずなのに、

進もうとすると、
今まで見ないふりをしてきた過去が、何度も目の前に現れる。

弱い自分が仕切りと見え隠れして、自分の行く先を塞ぐ。

「進むこと」が怖いんじゃない。
「過去と向き合うこと」が、何よりも怖い。
自分の弱さ、不安、逃げ癖、全部と対面するのが怖い。

それでも私は、声優になる。

スローペースでもいい。
地団駄ばかり踏んでてもいい。
言い訳してても、迷ってても、それでも進みたいって思ってる自分を信じたい。

強くなりたい。
もっと不安に左右されず、自分の軸で動ける強さが欲しい。
この手の震えも、身体の違和感も、全部飲み込めるような強さが欲しい。

でも、たぶんそれって――
「不安が消えること」じゃなくて、
「不安があっても進める力」を持つことなんだろうなって思う。

ずっと模索だと思う。
苦しい日もきっと続くと思う。
でも私は、未来を手放せない。

だから、もっと自分に向き合って、もっと自分を知って、自分を許して、そうやって少しずつ自分と対話していかないといけないんだと思う。

別に変わり者でもいい。
別に未到達者でも未熟者でもいい。
私は、声優になる。

ただそれだけは変わらないって、それだけは堂々と胸を張って言える。

ただそれだけで、今は良いのかなってふと思った。

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