私はもともと「小説家になりたい」というより、ライトノベルを書いてみたいな〜という軽い気持ちからのスタートでした。
あまり真剣に働こうという気もなくて、「なんとなく生活できたらいいな〜」くらいの生半可な感覚。
ライトノベル一本で食べていけるとは思っていなかったので、とりあえずコールセンターで働きながら、「マーケティングの技術が身につけば楽かな」程度の意識でした。
でも実際にやってみると、コールセンターの仕事もマーケの勉強も、意外と性に合っていて、気づけば「働きたくない」という気持ちは、少しずつ薄れていきました。
【Voice Planetとの出会い】
そんなある日、YouTubeである広告が目に入りました。
Voice Planetというプロジェクトです。
Voice Planetとは新人声優発掘プロジェクトの様なものです。
「顔出しなし」「土日だけ働きませんか?」
そんな文言に惹かれて、流れるように応募していました。
もともと、アニメの声優さんたちは大好きでした。
正確に言うと「尊敬していた」存在。
だからこそ、私にとっては雲の上の存在で、自分がそこを目指すなんて考えもしませんでした。
でも、歌うことや喋ることが好きで、コールセンターで“声だけで想いを届ける”ことの尊さに触れたとき、「できるかは分からないけど、声の仕事に一生関わっていたい」って思ったんです。
とはいえ当時は、「YouTubeでナレーションとかできたらいいな」くらいの感覚で、アニメ声優なんて遠すぎて、目指すことすらおこがましいと思っていました。
私は音痴で、滑舌も悪くて、腹式呼吸もできない。
声を褒められたことはあっても、「できるわけがない」と思い込んでいたんです。
だから、「ちょっとかじれればいい」「端っこにでも関われたらいい」くらいの気持ちで参加しました。
Voice Planetでは、全6回のボイトレとボイスサンプル収録があります。
とにかくボイトレは楽しかった!
「発声は思ったよりできてるね」と言われたときは驚いたけど、エナジードリンク系の“元気系ナレーション”をやったときに、想像以上に声が張れず、自分でもびっくりしました。
独学で見様見真似の演技をしていたこともあったんですが、ボイトレ後に練習の為の録音を聞いてみたら、思っていた以上に棒読みで、思わず笑ってしまいました(笑)
帰ってから、カラオケや高架線の近くとかで練習したりしてました。
初めは、とにかく楽しいってだけだったんですよね。練習をすればするほど上手くなっている感覚があって、講師もそれを褒めてくれたんです。
【本気で声優になろうと思ったきっかけ】
ただ、5回目のボイトレくらいから少し変化がありました。
というのも、3回目以降、同じような指摘を何度も受けたんです。
「キャラクターは今どこにいる?」
「環境は?季節は?どんな動きをしている?」
「動きに合わせて、話し方も変わってくるよ」
講師の言いたい事は分かる。私も客観的に演技を評価する際はそこが気になるんだろうと思ったからだ。でも実際にやろうとすると、なかなか上手くいかない。
だけど不思議と、辛いとか苦しいとは思わなかったんです。
むしろ——
「あぁ…演技って、こんなに繊細で、奥が深くて、面白いんだ」
って思いました。
どんどん演技の世界にのめり込んでいきました。
ちょうどその時期に、どんどん興味が広がり、声優さんたちのYouTube動画もいろいろ見ていたんです。その中で特に心に残っているのが、鈴村さんと津田さんの対談。
そこで語られていたのが、
「アニメを楽しめなくなる」
「しんどいけど、楽しい」
という言葉。
それを聞いたとき、「見てみたい」って、思ってしまったんですね〜(笑)
だって、この心情って、日常のどんな時でも演技のことを考えてしまう。
自然と“仕事脳”になっている事なんですよね。
それだけ努力して、技術学んで、それに傲らず、追求していく。
夢物語じゃなくて、一つ一つの努力の積み重ねがあって、それに結果が伴っていて、それでも驕らず、ただ追い続けている。
その生き方に、すごく感銘を受けたんです。
ただ働きたくない、ただなんとなく楽しい世界観に浸かっていたくてライトノベルを書きたいと思っていただけの人間だったんです。
それが、初めて、心の底からこう生きてみたいと抱くようになったんです。私も行きたい。その世界を見て、感じて、触れてみたい!
それに人生掛けるのっていいなって感じたんです。
ただそれだけで、まだはじまったばかりなんですけどね。
